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【ベルモントS】アメリカンファラオが3冠達成!アメリカ競馬の歴史が遂に動く

   

 歴史が・・・遂に動いた!

 1978年のアファームド以来、37年間誕生することがなかったアメリカ3冠馬。長い間止まったままだったその時計の針を、アメリカンファラオAmerican Pharoahは遂に動かしてみせたのだ。

 最後の直線、追いすがるフロステッドFrostedを突き放し始めたのを見た瞬間、全身に鳥肌が立つのを覚えた。

 我々は歴史の証人になったのである。

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 あまりのフィーバー振りに入場制限が掛かったベルモントパーク競馬場。前日までに9万枚用意された入場券は全て完売し、当日来場した大観衆はその瞬間を今や遅しと待ち構えていた。

 注目のスタート。無難に決めたアメリカンファラオとエスピノーザ騎手は果敢に先手を奪う。

 「本当に強い馬は自分で競馬を作り勝利する」アメリカ競馬のDNAを証明するかのように、自ら馬群を引っ張り疾走するアメリカンファラオ。その姿は歴史的快挙に挑む馬の矜持を示しているかのようであった。

 もちろんライバルたちもそう易々と3冠達成はさせないと、アメリカンファラオをマークに掛かる。アメリカンファラオ以外の7頭全てが、付かず離れずアメリカンファラオにプレッシャーを掛け続ける。隙を窺い続ける。

 37年前のアファームド以来、2冠馬は前年まで13頭誕生していた。そのうちベルモントSに出走した12頭は、こういったライバルたちの執拗なプレッシャーに苦しめられ、あと一歩のところで3冠の夢を絶たれた。

 先頭を行くアメリカンファラオにも、同様にライバルたちの凄まじいプレッシャーが襲い掛かる。これを跳ね除けて初めて3冠達成は可能となるのだ。厳しいプレッシャーを受け続けながら、アメリカンファラオは4コーナーを先頭で通過し、最後の直線へと突入した。

 ライバルたちのプレッシャーに晒されながらも、まだ手応えには余裕のあるアメリカンファラオ。そこに外から2番人気、最大のライバルと目されたフロステッドが襲い掛かってくる。

 フロステッドも手応えが良い。これは2頭の一騎打ちか!?そう思った瞬間、エスピノーザ騎手のゴーサインに反応し一気にスパートを開始するアメリカンファラオ。

 これほど執拗にマークされた同馬のどこにこれほどの力が残っていたのか?アメリカンファラオとはこれほどまでに強かったのか!?決して脚が上がった訳ではないフロステッドをみるみるうちに突き放す!!

 実況アナウンサーが、場内の大観衆がその走りに熱狂し絶叫する中、先頭でゴール板を駆け抜けたアメリカンファラオ。2着のフロステッドに付けた着差は5馬身1/2。2分26秒65の走破時計は147回を重ねたベルモントS史上7番目の速さ。

 まさに歴史的快挙を飾るに相応しい圧倒的な、そして怪物的なパフォーマンスであった。

 みごと世界の競馬史にその名を残す快挙を成し遂げたアメリカンファラオ。彼の名は今後競馬が世の中から消え去ることが無いかぎり、未来永劫語り継がれていくことだろう。

 先日、世界的な競馬生産組織クールモアに種牡馬としての権利が売却されたことはこのブログでもお伝えしたが、この快挙でアメリカンファラオの種牡馬としての価値は莫大なモノとなっただろう。と同時にその種牡馬としての価値が天井知らずとなっただけに、彼が現役の競走馬として過ごす時間は確実に短くなった。

 おそらく今年一杯で引退し種牡馬入りすることになるだろう。ラストランはブリーダーズCクラシックになる筈だ。彼の姿を見ることが出来る時間は少なくなった。

 この歴史的名馬と同じ時間を生きることがどれだけ幸せなことか。その幸せを噛み締めながら、彼の残された時間、残されたレースにおける一挙手一投足を目に、心に焼き付けていきたい。

【アメリカンファラオ American Pharoah (米国:ボブ・バファート厩舎所属 牡3歳 鹿毛)】
 父:パイオニアオブザナイル Pioneerof The Nile
 母:リトルプリンセスエマ Littleprincessemma
 母の父:ヤンキージェントルマン Yankee Gentleman
 通算成績:8戦7勝(内G1・6勝)
 主なタイトル:2014デルマーフューチュリティーS(米G1)、2014フロントランナーS(米G1)、2015アーカンソーダービー(米G1)、2015ケンタッキーダービー(米G1)、2015プリークネスS(米G1)、2015ベルモントS(米G1)

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