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ゴールドシップ完全復活。他馬に格の違いを見せ付ける ~2015阪神大賞典レース回顧vol.1~

      2015/03/30

 22日、阪神競馬場で行われた伝統の長距離戦、「第63回 阪神大賞典(GⅡ 芝3000m)」。

 ここで1番人気に指示されたのが、現役屈指のステイヤーで同レース3連覇の偉業が掛かるゴールドシップ。

 前走のAJCCでは思わぬ敗戦を喫し、「衰えたのでは?」と心配されていた同馬だが、レースではらしさ全開の豪快なレースで快勝!

 見事阪神大賞典3連覇の偉業を成し遂げた。

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長距離戦らしい緩急ある見応え溢れるレースに

 JRA公式ラップ:12.7 – 10.5 – 11.5 – 12.5 – 13.2 – 12.9 – 13.0 – 13.6 – 12.9 – 12.6 – 12.2 – 12.4 – 12.0 – 11.7 – 12.2
 上がり     :4F 48.3 – 3F 35.9

 レースの流れとしては緩急のある、長距離戦らしい騎手の腕を問われる流れとなったのではないだろうか。

 特徴的なのは最初の3ハロンの速さ。スズカデヴィアスとメイショウカドマツが競り合った為、3ハロン34秒7という非常に速いラップが刻まれる形なった。

 特にスタートしてから2ハロン目の、10秒5というラップは特筆モノだろう。今時短距離戦でもあまり見ないハイラップだ。

 さすがにこれ程の脚を序盤に使ってしまうと、途中ペースを落としたと言えどもスズカデヴィアスにとっては厳しくなってしまう。直線まるで抵抗できなかったのも無理も無いだろう。

 他の馬たちはこの先行争いに巻き込まれること無く、自分たちのペースを守って走っていた。

 途中13秒台のラップが続く場面があったが、そこで各馬ペースを落とし過ぎることなく前との差を詰めたのは、大多数の騎手が冷静に乗れていたと言うことの証明だろう。

 残り1000M付近からはペースも上がり、長距離戦らしいタフな流れになった今年の阪神大賞典。長距離戦と言うのは兎角騎手の乗り方がとやかく言われ易いが、今年のレースはその名に相応しい締まったレースだったと思う。

巣晴らしい仕上げだったゴールドシップ

 らしさ溢れる豪快なレース振りで他馬をねじ伏せたゴールドシップだが、陣営の熱意の表れか非常に出来が良かったと思う。

 ゴールドシップの代名詞の一つといえば、その柔軟な身体から生み出す豪快なストライド走法だろう。四肢を一杯に伸ばしコーナーを駆け上がってくる姿は、ゴールドシップ独特なモノだ。

 長距離馬らしく非常に身体の柔らかいゴールドシップだが、反面その柔らかさは緩さへと繋がり易い。実際今までの同馬のレースを振り返ると、特に背中と腰の甘さが目立ったレースが多かった。

 ところが今回、パドックに出てきたゴールドシップはその背中や腰の甘さを微塵も感じさせずに歩いていた。

 背中から腰のラインがビシッと一直線で保たれ、腰も上下に大きく波打つことなく一定の高さに安定している。正直この姿には驚いた。ゴールドシップのパドックを見た瞬間、それまでの懸念はどっかに吹っ飛び、まず勝てると思ったほど。

 厩舎サイドもこの馬でこれ以上の敗戦は許されないと、気合を入れて調整してきたのだろう。その熱意。意欲の程が良く現れた素晴らしい仕上げだったと思う。

 レースに関してはスタートはマズマズ決まったが、行き脚が付かず後方からになってしまった。

 これはある意味致し方ない部分はあるだろう。元々そんなにスタートダッシュが速い馬ではないのに、このレースの序盤は短距離戦並みの流れになってしまった。そんな速い流れで、ある意味のんびり屋のゴールドシップがポジションを取れる訳が無い(苦笑)

 ただこの日の岩田騎手は前走とは違った。ゴールドシップに過度に負担が掛からない程度にペースアップすると、徐々にポジションを押し上げていく。

 1周目のスタンド前では中団までポジションを押し上げたゴールドシップ。この時点で前を射程圏に捕らえてはいたが、そこで気を緩めずバックストレッチではペースが緩んだ隙に3番手まで進出。

 この時点で8割方岩田騎手の仕事は終わっていた。あとは仕掛けどころを間違わず、ゴールまで追い続けるのみ。

 実際残り600mで追い出しを開始すると、4コーナーでは逃げるスズカデヴィアスに外から一気に並びかける。

 そして直線入り口で早々に先頭に立つと、外から一旦並びかけたデニムアンドルビーを、そこからもう一度突き放す末脚を見せる。

 最後はデニムアンドルビーに1馬身1/4差を付けて、先頭でゴール板を駆け抜けたゴールドシップ。らしさ全開、自分の競馬をすればまだまだ負けないという事実を、満天下に示す快勝だったと思う。

3度目の正直はあるのか?

 これで春の天皇賞に向けて期待が高まったゴールドシップだが、管理する須貝尚介調教師はレース後、次走については言葉を濁したと言う。

 その気持ちは良く分かる。例年超高速馬場で行われる春の天皇賞は、距離こそ3200mだが中距離馬が活躍するレースで、真正ステイヤーであるゴールドシップにとっては向かないレースだ。

 実際過去2回のレースでは、それぞれにレース運びの拙さはあったものの、基本的には完敗といっていい結果に終わっている。この結果からも、同レースにおける適性に乏しいことは間違いない。

 そしてそのことは須貝調教師自身も痛感しているのだろう。いくら春の一大レースとはいえ、好走する可能性が低いレースに出走を躊躇することは、大事な馬を預かる調教師としては当然のことだ。

 またレース後、ゴールドシップに少し気になる面があった。ゴール板を過ぎて徐々にスピードダウンしていた同馬だが、その止め際で少し前脚を気にしたのか?歩様を乱していた。

 そのことは岩田騎手も直ぐに気付いたのだろう。引き返して来るときにダクを踏ませていたが、歩様を確かめるように入念にダクを踏ませ、その動きにおかしいところが無いか確かめていた。

 レース後のコメントなどを見る限りそのことに触れているものは無いので、もしかしたら一過性のハコウだったのかも知れない。ただ時間が立ってから異常が出てくるパターンも多いだけに、ここ数日は慎重に経過を観察する必要があるだろう。

 ゴールドシップの春の最大目標は、3連覇が掛かる宝塚記念だと聞いている。このレースは現時点でも中々の好メンバーがそろう可能性が高く、ゴールドシップは主役の1頭として欠かせない存在だ。

 ゴールドシップももう6歳。確実に競走生活の終わりは近づいている。

 この日、阪神競馬場に駆けつけたファンの多さを見ても分かるように、数多くの競馬ファンに愛されているゴールドシップ。

 最後まで元気で、そしてらしさ全開の姿で頑張ってほしい。

 - レース回顧

        
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