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【兵庫CS回顧】クロスクリーガーの圧倒的な強さに競馬におけるコース適性の大事さを再認識

      2015/05/11

 正直ここまで抜けた強さを見せ付けるとは思わなかった。

 6日、園田競馬場で行われた3歳ダートの交流重賞、兵庫チャンピオンシップ(Jpn2)。

 単勝1.6倍という圧倒的1番人気に支持されたクロスクリーガーがスタートから終始先頭に立って主導権を握り、結局は追いすがるリアファル以下を9馬身以上の大差を付けて一蹴すると結果に終わった訳だが、基本的な能力はその派手な着差ほど他馬とは離れていないと思う。

 では何故これほどまでに着差が開いたかといえば、それは岩田騎手の好判断と現時点での完成度。それに小回り適性の高さに尽きるだろう。

 今回クロスクリーガーのレース振りを見ていて印象的だったことは、とにかくギアチェンジがスムーズで、必死に追いかけてくるリアファルに対し常に一歩先んじている姿だった。

 園田競馬場というのは現存する地方競馬場の中でも特に小回りな部類に入るので、高いレベルのレースを勝ち切るには能力は勿論のこと、機動力の高さを要求されることが多い。

 クロスクリーガーは常に460キロ前後で競馬に使っている馬だが、ダートを主戦場にする馬にしては馬格はそれ程大きくないタイプだ。ただこのようにそれほど大きくない馬体こそが、機動力を要求される小回りコースでこそ生きるパターンは多い。

 この日のレースでも2番手から必死に追いかけるリアファルを尻目に、コーナーに入るたびに余裕を持ってリードを拡げていた。終いには無理して追いかけたリアファルが先にバテてしまい、直線では軽く仕掛けただけで独走してしまう形に。

 前走の伏竜Sを観ても分かるように、クロスクリーガーとリアファルとの根本的な能力差は、この日のように決定的な差を付けるほど離れてはいない。

 それなのにこれだけの着差が付いてしまうという事は、それだけ競馬というものが能力以外の要素(展開やコース適性)も結果に大きく影響するという証明ではなかろうか。

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 正直パドックで見た馬の出来、スケールの大きさという点では2着のリアファルが1番だったと思う。

 500キロを超える雄大な馬体。非常にバランスの良い身体付きと質の良さを感じさせる筋肉。一目パドックを見ただけで将来大きな舞台で主役を演じているであろう姿を容易に想像できるほど、素晴らしい姿で周回していたと思う。

 それだけにこの敗戦はショックだった訳だが、やはり大柄な馬体の持ち主だけにこれだけ機動力を要求されるコースになるとどうしても苦しくなる。

 コーナーでの加速力は勿論のこと、直線部分での反応・加速力でもクロスクリーガーに一歩劣っていたリアファル。大きなコースでの持久力勝負ならたぶんリアファルの方に分があるだろうが・・・。何よりも機動力を要求される園田ではどうしようもならなかった。

 今回に関しては正直完敗というしかないだろう。ただ先にも述べたようにこれが決定的な差というわけではない。コースが変れば逆転は充分ありえる筈だ。

 次走は恐らくジャパンダートダービーになると思われるが、そこでクロスクリーガーと再戦する可能性は非常に高い。

 大井競馬場はコーナーは多少きついものの、地方競馬屈指の大箱コース。舞台が変って結果がどうなるか?非常に楽しみだ。

 3着のポムフィリアはここまで短い距離のレースを使われてきた馬だが、パドックを見た印象ではこの距離でも充分走れる要素は有ったと思う。

 馬体重こそ450キロとこのメンバーの中では少ない部類だったが、脚の長さも標準的で胴もそれ程詰まっていなかった。パッと見は短距離馬というよりもマイル位で良さが出そうなタイプに見えたので、3着という結果は相馬的にも充分納得できる。

 牝馬ということもあり個人的にはタフな地方よりも、東京や京都といった軽めのダートの方が良さが出そうなタイプに思えるポムフィリア。距離に目処も立ったことだし、今後更なる活躍を見せる可能性は決して低くないだろう。

 園田でここまで7戦無敗。地元勢の大将格としてここに出走してきたインディウムだが、確かに良い馬だったと思う。正直園田で走らせるのは勿体無いくらいの素材の良さを感じた。

 ただその素材の良さを生かしきれているかというと、正直NOと言わざるを得ない気がする。

 これは環境的に仕方がないことなのだろうが、やはりJRA勢と比べると筋肉の付き方に歴然とした差を感じてしまうのだ。

 何故そういうことになってしまうのかというと、ダートのみで仕上げざるを得ない地方の調教環境と共に、食べさせているものの差を感じずにはいられない。地方とJRAの違いと言えばとにかく調教設備の差を言われることが殆どだが、それに匹敵するほど違うのが与える飼料(飼い葉)の違いである。

 JRAの厩舎で食べさせている飼料は、厩舎ごとに多少の違いは有るとはいえ地方と比べると段違いに栄養価が高い。地方の厩舎では高価でとても与えられないような飼料をバンバン与えているのだから、筋肉の付き方・質に差が出るのは当然だろう。

 それにプラスして調教環境の差も上乗せされるのだから、昨今のダートグレードレースにおけるJRA勢の圧倒的優勢も当然といえば当然なのだ。

 今回のインディウムのパドックを見ても、「もしJRAに移籍すればかなり良いところまで行けるのでは?」と思ってしまった。

 もしJRAの厩舎からデビューしここに出走してきていたとしたら、上位2頭に割って入る可能性は決して低くなかっただろう。

 そう考えると何とも勿体無い気もしないでもないが・・・。

 ただ園田を盛り上げるという意味では貴重な存在とも言えるし・・・。

 何とも痛し痒しである(苦笑)

 - 地方競馬

        
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