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ノンコノユメが天を味方につける / 2015JDD回顧

      2015/07/09

  ◆2015ジャパンダートダービー(Jpn1)ダート2000m◆
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 降りしきる雨の影響で、水の浮いた不良馬場で行われた今年のジャパンダートダービー(以下JDD)。

 前走のユニコーンSで重賞初制覇を果たしたノンコノユメがここでも豪脚一閃、逃げ粘るクロスクリーガーをゴール前で捕らえ快勝した訳だが、勝因としては以下の3点が主要な要因ではなかろうか。

  • 残り1000mからのロングスパート戦
  • 地方の競馬場では最長の386mの直線
  • 水の浮いた馬場状態
  •  まず第一の勝因。今回レース全体の流れは逃げたクロスクリーガー騎乗の岩田康誠騎手が作ったわけだが、前半1000mは63秒ちょうどと比較的楽なペースで流れたものの、残り1000m過ぎからペースは一気に上がり(残り1000-600m区間で2ハロンに渡り12.2というスタート直後を除けば、同レース最速のラップを計時)、実に5ハロンに渡るロングスパート勝負の競馬を展開した。

     これは末脚勝負に賭けるノンコノユメにとってありがたい流れだっただろう。前を行くライバルたちがこの流れに巻き込まれ消耗し、末脚を失くしてくれたのだから。

     そして第二の勝因は地方最長の386mという長い直線。これに関しては詳しい説明は要らないだろう。気性的なモノなのかコーナーリングが下手なのか、直線に入らないとエンジンが掛からないノンコノユメにとって、長い直線は好走する為には欠かせない条件なのは多くの人が認識している通り。

     そして第三の勝因。水が浮くほどの不良馬場というのは、そこを走る馬にとって意外なほどスタミナを消耗し易くなる。要は水田の中を走るような形になるので、脚にまとわりつく水の抵抗で余計にスタミナを消耗してしまうという訳だが、そのスタミナの消耗度合いは当然スタートから飛ばす先行馬の方が大きくなる。

     しかも大井競馬場は排水の都合上、外から内ラチ沿いに向かって傾斜しており、水が内側に流れる時は砂も一緒に流れる為、馬場の内に砂が多く溜まる傾向がある。

     逆に馬場の外の砂厚は必然的に薄くなる訳で、内と外どちらを通るのが馬にとって有利かは、少し考えれば答えが出るだろう。そう、外断然有利の馬場が現出するのだ。

     これだけの材料が揃えば、ただでさえ能力はメンバー中1・2を争う存在だったノンコノユメ。直線での鮮やかな差し切りも納得というものだ。正直状態に関しては前走よりも落ち気味で上積みは感じられなかったのだが、そのぶん天を味方につけマイナス面を補ったかな?という印象を受けた。

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     それでは2着以下の馬たちについて簡単に振り返って見よう。

     クロスクリーガーに関してだが、出来については及第点を与えられる状態だったと思う。正直今回出走したJRA勢は皆あまり良い状態ではなかったように思うのだが、その中でもクロスクリーガーが1番良い状態だったのは間違いない。

     1番の敗因は大井競馬場という広いコースに対する適性ではなかろうか。クロスクリーガーという馬は460キロ前後とダート馬としては小柄な部類の範疇に入る馬で、背もそんなに高くない。

     背が高くないということは脚もそんなに長くないということで、こういった体型の馬は小回りコースだとコーナーリング性能が高く有利さを発揮する一方、コーナーが緩く直線の長いコースだとそのアドバンテージを生かせず、最後は脚の長い大型馬に差し切られてしまうという場面に遭遇することが多い。

     今回のクロスクリーガーも、ロングスパートを行ったせいもあるが残り1ハロンで完全に脚が上がり失速していた。それはラップタイムにも顕著に現れ、最後の1ハロンは推定13.4~5ぐらいのラップで駆け抜けていると思われる。

     ノンコノユメのように馬体の小さな馬でも、最後の直線にのみ賭けるような戦法の馬なら最後まで末脚を持続させることは出来るのだろうが・・・。クロスクリーガーの行きたがる気性を考えると、脚を溜める競馬は現実的ではない。

     今後もコーナーのきついコースならば大いに信頼できる馬だと思う。しかし東京コースや中京、大井外回りといった広くタフなコースでは割り引いて考えた方が良さそうだ。

     3着のラッキープリンスはとにかく出来が良かった。パドックで同馬の姿を見た瞬間、目が釘付けになるほど素晴らしい姿をしていたからね。

     思わずその素晴らしさに単複を押さえてしまったほど。正直実力的にはJRA勢と比べると分が悪いとは思ったが、如何せん今回のJRA勢は状態に不安が有る馬が多かった。なので何とか出来の良さを生かして食い込めないかと期待したのだが・・・。

     4コーナーから直線の入り口にかけて力が入った。一瞬クロスクリーガーに並ぶところまで行った時には夢を見た。

     最後はさすがに一杯になり、上位2頭とは力の違いを感じさせられる結果になったものの、3着という着順は大健闘と言って良いだろう。この大舞台でこれほどの状態に仕上げ出走させてきた小久保調教師と厩舎スタッフの力量に感服するばかりだ。

     5着のライドオンウインドは力量的にはもう少しやれても良かったはず。敗因は大幅な馬体増が示すとおり、状態面と考えて良いと思う。パドックも悪くはなかったけど良くもなくといった感じで、とても大一番に臨む仕上がりではなかった。

     たぶん前走後に反動が出たのか、一度緩めてしまったんだろう。そこから再度負荷を強めて馬体を作っていこうとしたんだろうけど、時間が足りず攻め切れなかった結果が、プラス16キロという馬体重に現れてしまったんだと思う。

     11着に終わったディアドムスも状態面の不備が最大の敗因なのは間違いない。一見アウトラインは出来ているように見えがちだったパドックだが、歩かせてみると背中の上下動が激しく、軸もブレブレの歩き方をしていた。

     外面の筋肉はそれなりに戻っていたのだろうけど、体幹、要はインナーマッスルは戻りきっていなかったんだろうね。だから重心の安定しない歩き方をしていたのだとおもう。

     もともとユニコーンSで復帰するつもりが、ここまで予定を延ばしての出走という経緯だったそうだけど、やはりドバイ帰り、特に3歳馬での海外遠征明け緒戦というのは体力がついていない分難しいのだと思う。あのゴールデンバローズですら不甲斐ない競馬をしてしまうのだから。

     そう考えるとこの一戦だけで深刻な考えを持つ必要は無いと思う。とりあえずは数戦は様子を見ても良いのではなかろうか。

     - レース回顧, 地方競馬

            
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