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シャトーブランシュ 外差し馬場を味方に快勝!この結果にあの「白い暴れん坊」もニンマリ? / マーメイドS回顧

   

 14日、阪神競馬場で行われた牝馬限定のハンデ重賞「第20回 マーメイドステークス(G3)」。

 「日本一荒れる重賞」として穴党には大注目の一戦となったこのレースだが、今年は8番人気のシャトーブランシュが最後の直線大外から一気の末脚を見せ快勝。

 2着には1番人気のマリアライトが入ったものの、3着は10番人気のパワースポットだったということもあり、今年も3連単15万馬券と「荒れる重賞」の名に恥じない決着となった。

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外差し馬場を味方につけたシャトーブランシュ

 この日の阪神芝コースの傾向として、完全な外差し馬場になっていたことはマーメイドSを振り返る上で忘れてはならないことだろう。

 土曜日の時点ではまだ内も伸びていたのだが、日曜日になると後半のレースになればなるほど直線で内に進路を取った馬は伸びなくなり、逆に外に出した馬の伸びが目立つようになっていた。

 特に道中ずっと内ラチ沿いを通った馬は3コーナーの入り口辺りで総じて手応えが悪くなっていたので、あの辺と直線の2箇所の馬場コンディションが悪化しているのは間違いないと思う。

 そんな外差し馬場を味方にして差し切ったのが1番人気のシャトーブランシュ

 出来自体は普通だったと思う。パドックは良くもなく悪くもなくといった感じで、良い時はかなり良く見せるタイプの馬だけに余計に平凡に映った。

 そんな馬がなぜ勝てたかというと、勝つ力量を備えていたことを当然の前提として、馬場適性と展開がドンピシャだったからだろう。また騎乗した藤岡康太騎手は過去10年のマーメイドSでこれが3勝目という、同レースの勝つツボを知っている騎手だったことも大きいか。

 シャトーブランシュはパンパンの良馬場でもそこそこ切れる脚を使える馬だが、やはりサンデーの血を持っていないだけに末脚勝負となると少し劣るところがある。なのでこの日の阪神の馬場のように、多少力のいる馬場の方が余計に良いタイプだ。

 また脚は長めなのだがピッチで走るタイプなので、直線があまり長すぎると最後脚が止まってしまうところがある。小回りコースで後ろから捲くっていく競馬が一番合っているのではなかろうか。そしてそういう競馬をさせると藤岡康太騎手は上手い。

 この日も人気のマリアライトが早め動いたのを目標に、外から一気に差しきって見せた。馬の適性に騎手の乗り方がピッタリ合ったからこそ引き出された末脚だったと思う。やはりこの馬は後ろから末脚を生かす競馬の方が合っているね。

 今後もこの乗り方を守る限り、中山牝馬Sや福島牝馬S、そしてクイーンSなどの小回りコースで行われる牝馬重賞では要注意の存在になると思う。

強気な競馬が裏目に出たマリアライト

 1番人気のマリアライトは直線一旦先頭に立つも最後差され2着。

 小柄な牝馬で輸送を懸念されていたが、結果としてプラス2キロでの出走。パドックでの気配も目立っていたし、非常に良い状態で出走できたのではなかろうか。

 道中は中団を追走。内の馬場が悪くなっていただけに外を回ったのは小柄な同馬にとっては良い選択だったと思う。ただもう1~2列後ろでも良かったかな。一瞬の脚に賭けるタイプの馬だけに、変にポジションを取りにいくと最後脚が上がってしまう。

 このレースでも人気を背負っていた馬の宿命として、4コーナーで前を捉えるために自分から動いていった結果、最後坂を上った辺りで脚が上がりシャトーブランシュに差し切られた。

 小柄な馬はコーナーでの機動力と一瞬でトップスピードに乗る加速力に秀でる一方、その脚が直線で長く続かないところがある。それだけにレース序盤でどれだけ脚を溜めれるかが勝負の明暗を分ける面があるのだが・・・。人気を背負っていると極端な後方待機策も取り辛いので仕方がないかな。

 ただ重賞初挑戦であわやという場面を作ったのは実力の証明だろう。今後は牝馬重賞は勿論のこと、機動力を要求される小回りの中長距離重賞では注意したい存在だ。

今後も穴を開けそうなパワースポット

 10番人気という低評価ながらも3着と好走したのがパワースポット

 京都牝馬S、中山牝馬Sで3着に好走した実績があるのに10番人気。「出来も悪くなかったのに随分と見くびられたものだな」というのが同馬に対する印象だろうか。

 近2走が連続して7着というのが人気を下げた要因なのだろうが、その2走も追い込み脚質のパワースポットにとって展開が向かなかっただけのもの。2レース共自身はキッチリと脚を使えており、展開次第では充分浮上する余地はあった。

 この日の阪神の馬場は典型的な外差し馬場。これなら一発は充分有り得ると踏んでマリアライトとのワイドを買ったのだが・・・、ドンピシャだったね。多少パワーの必要とされる馬場状態も、牝馬の中では馬格に優れる同馬に向いた印象だ。

 こういった極端な末脚の馬は展開に左右される面が大きいだけに、今後の走りの中身に似合わない人気になることが多くなると思う。ただ展開や適性が合えば一気に浮上する可能性も大きいだけに、常に馬券候補として注目しておきたい馬だ。

馬場と展開に泣かされたリラヴァティ

 2番人気のリラヴァティは8着。

 出来は悪くなかったと思う。覇気も感じられたし身のこなしも良かった。

 考えられる敗因は2つだろう。一つは先程から何度も言っているように外差し馬場の影響。先行するタイプであるリラヴァティにとって内の伸びないこの日の馬場状態は厳しかった。

 もう一つはレース展開。ハナを切ったのは悪くない判断だったと思うが、如何せんペースをスローに落とし過ぎた。切れる脚を持っていないリラヴァティにとって、ヨーイドンの末脚勝負は一番やってはいけない競馬。松山騎手のボーンヘッドだろう。

 松山騎手は最近台頭が目立つ若手有望株だが、どうもペース判断が下手なのか逃げ戦法だけは拙い騎乗が目立つ。大体がスローに落とし過ぎて末脚に秀でる馬にやられるというパターンが多いのだ。

 逃げた訳ではないが、今年の桜花賞でも歴史的スローペースになった要因の一つは、逃げ宣言をしていた松山騎手騎乗のムーンエクスプレスが控え、勝ったレッツゴードンキにプレッシャーを掛けなかったことだった。

 松山騎手のペース判断能力に関しては数年前から度々言われて来ているのだが、一向に改善の余地が見られない。彼が一流騎手として一皮向けるか否かは、今後この能力が向上するかどうかに掛かっていそうな気がする。

次走以降の巻き返しに注目したいアースライズとバウンスシャッセ

 3番人気の3歳馬アースライズは9着。

 こちらも馬場とスローペースにやられたクチかな。オークスのように持久力を要求される競馬になれば良かったんだろうけど、内が伸びない上に上がり勝負の競馬になってしまったからね。こうなると大飛びなアースライズには厳しい。

 ただまだ3歳馬だけに悲観的になる必要はないだろう。こういうタイプの馬は展開一つで大きく変わるものだ。また次走以降での巻き返しに期待したい。

 トップハンデのバウンスシャッセは15着。

 ずっと包まれっぱなしだったね。直線でも進路が開かず、最後はミルコ・デムーロ騎手も諦めて流していた。

 このレースは流石に参考外だろう。出来は悪くなかっただけに可哀想だったかな。馬場も展開も合っていただけに、コーナーでスムーズに外に出せていれば上位進出も有り得ただろうに・・・。

 かなりストレスの溜まるレース振りだっただけに、次走以降でそのストレスを発散させる結果を期待したい。

ほくそ笑む白い暴れん坊

 最後に阪神の芝コースは開幕2週目にして早くも内が悪いコンディションとなった。梅雨の時期という事もあり、この傾向は開催が進むにつれて更に顕著になるだろう。

 今開催の最終週となる2週間後にはG1宝塚記念が控えている。この馬場コンディションを見てほくそ笑んでいるのは・・・あの白い暴れん坊だろうなあ(笑)

 最大のライバルと目されたエピファネイアは回避し、馬場コンディションはお誂え向きになったきた。

 いよいよ白い暴れん坊ことゴールドシップの宝塚記念3連覇に向けて、状況は整ってきた感じを受けるが・・・。さて、どうなるだろうか。

 - レース回顧

        
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