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スプリングSはキタサンブラックが勝利 ~2015スプリングSレース回顧vol.2~

      2015/03/31

必死に粘るキタサンブラック

 リアルスティールの敗戦が大きな話題となった今年のスプリングSだが、勝ったキタサンブラックを始め、他の出走馬たちのことも当然忘れてはならない。

 この記事ではキタサンブラックやダノンプラチナ、ブラックバゴ等その他の有力馬たちのレース振りを振り返る。

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この勝利はフロックではない

1着キタサンブラック

 前の止まらない馬場状態と枠、展開をフルに生かして勝ち切ったのがキタサンブラック。

 要は全てが上手くいったということだが、そもそも勝てるだけの能力が備わっていたことは無視しては行けないと思う。恵まれたのは確かだが、全くのフロックという訳ではない。

 実際パドックでは目を引く1頭だった。ブラックタイド産駒らしい雄大な馬体をしており、デビュー2連勝は伊達ではないと素直に思ったほどだ。

 ただ大柄な馬体に比例して、身のこなしに緩慢さと少々の重さを感じたので、距離短縮のここではなく青葉賞やダービーなど距離が伸びてこそ真価を発揮する馬だと思ったのだが・・・。ここで勝ち切られるとは正直思わなかった。予想以上に能力を秘めていたらしい。

 今回のキタサンブラックのレース振りで特に目を引いたのは、4コーナーで馬なりで先頭に立つ機動力と、直線坂下でスッと抜け出した瞬発力である。いずれも大飛びな同馬のイメージからはかけ離れたシロモノで、キタサンブラックの能力が非凡なモノである事を感じさせていた。

 確かに2着のリアルスティールは強かった。もっと締まったレースなら、恐らくアッサリと差し切られていたことは間違いないだろう。ただキタサンブラックの能力も、そんなにバカにしたものではない。器だけなら、今までのブラックタイド産駒の中でも1番だろう

 流石にまだ緩さが目立つので、完成度の高さが求められる皐月賞は少々厳しいかもしれない。それに本質的には広いコース向きなので、距離の伸びるダービーの方が好走を期待できるのではなかろうか。

3着ダノンプラチナ

 朝日杯FS以来のレースとなった2歳王者ダノンプラチナは、直線ジリジリと伸びて3着。

 休み明けの一戦となった今回だが、馬体はマズマズ仕上がっていた。元々パドックで良さを見出すのが難しいタイプなので、こんなもんで良いのだと思う。

 道中は中団から。懸念されていた折り合いは普通に付いていたが、それでも若干ツル首気味になるなど気持ちが前向きで、行きたがる面は見せていた。良く我慢できたものだと思う。

 直線坂下では唸るような手応えに見え「これは弾けるかな?」と思ったが、いざ追い出すと思ったほど伸び切れず。この辺は久々の分かもしれないね。最後はキタサンブラックと脚色が一緒になっていたし。

 とりあえず次走は皐月賞に向かうらしいが、この日のレース振りを見ると距離はギリギリかもしれない。皐月賞以降はダービーには向かわずにNHKマイルCという噂があるダノンプラチナだが、同馬の適性を考えるとそれが正解だろう。

4着ベルーフ

 京成杯の覇者ベルーフは4着。

 1月以来のレースだったが、仕上がりはかなり良かった。追い切りでは少々太いかな?と思ったのだが、輸送などでしっかりと馬体を整えてきたのだろう。この辺はさすが池江厩舎と思った。

 レースでは中団の内ラチ沿いから進め、4コーナーでも上手く前に進出したのだが、直線はジリジリとしか伸びず4着。

 これは何か馬に問題があった訳ではなく、単純に切れ味の差が出ただけと言うことだろう。典型的なハービンジャー産駒の馬体をしているベルーフに、33秒台の末脚を求めるのは酷だ。本質的にはもっと長い距離の持久力戦でこそ良さが出るタイプなのだから。

 少なくともこの日のレースよりは締まった流れになるであろう皐月賞本番では、もっとパフォーマンスを上げてくると思われるベルーフ。ただ馬のスケール的に勝ち負けになるかと問われると微妙で、たぶん上手く行って掲示板というところではなかろうか。

6着ブラックバゴ

 ホープフルS3着、京成杯2着と重賞で連続して好走し、ここは4番人気に推されたブラックバゴは4着。

 パドックでは仕上がりの良さが目立つ1頭だったね。ブラックバゴはここで権利を取らないと皐月賞への出走が叶わないということもあり、是が非でも権利を取るんだという陣営の意気込みが良く現れた馬体をしていたと思う。とにかくキッチリと造りこまれ、無駄な部分が殆どなかった。

 では何故敗れたのかというと、ひとえに戸崎騎手の消極的な騎乗によるものだろう。前走折り合いで難しいところを見せたのでそっと乗るのは分かるのだが、あのドスローの流れを4コーナーまで全く動かずにいたのは、勝負を捨てていたと非難されても仕方がない。

 最後の直線での脚を見ると、「もっと積極的に乗っていたら・・・」と思わざるを得ない。恐らく最後の2ハロンだけなら、リアルスティールに次ぐ脚を使っている筈で、完全に脚を余してしまった。

 これで皐月賞出走の望みを絶たれてしまったブラックバゴ。本番への出走が叶えば一発あると思っていただけに、この結果は非常に残念である。

 今後はダービートライアルへ目標を切り替えるということだが、体型的にも距離が伸びて更に良さが出るタイプだけに巻き返しを期待したい。

7着ミュゼスルタン

 骨折休養明けとなったミュゼスルタンは7着。

 プラス2キロと数字の上ではしっかりと身体を作ってきていた同馬。実際パドックでも太め感などは感じなかったが、さすがに怪我明けだけに筋肉の厚みなどはもう一つだったかも知れない。

 ただそのことを考えると、スタートで出遅れて最後方からの競馬になったのにも関わらず7着まで押し上げてきたことは、数字以上に評価して良いのではなかろうか。さすがに最後は脚が上がり気味になっていたが、全体的には上々の内容だったと思う。

 このあとは皐月賞には向かわずに、NHKマイルCへ直行するとのこと。本質的にもマイルでこその馬だし、この判断は悪くない。本番では更なる上昇が見込めるだけに、有力馬の1頭として評価したいところだ。

 - レース回顧

        
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