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ゴールデンバローズの敗因を探る / ユニコーンS回顧

   

 日本のダートでは3戦無敗。勇躍遠征したドバイのUAEダービーでは各国の強豪に混ざり3着と健闘。

 それまでの実績を考えると、ゴールデンバローズがユニコーンステークスで単勝1.5倍と絶大な支持を集めたのも当然だと思う。

 しかしレースではその絶大な支持に応えることができず4着と敗退。

 その人気の程を考えると、ユニコーンSでは惨敗と言ってもおかしくない姿を見せることとなったゴールデンバローズだが、果たして同馬に何があったのか?

 レースを振り返りながら敗因を探ってみたい。

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パドック:ゴールデンバローズは平常心を欠いていた

 馬体重は518キロ。前走はドバイなので馬体重の計測はなかったのだが、前々走のヒヤシンスSと比べると10キロの馬体増だった。

 ただ見た目には特段太いとか緩いとかはなかったと思う。2月から4ヶ月、この期間に骨格的な成長もそれなりにあっただろう。

 確かにカリッカリに仕上げた訳ではなく、10キロのうち数キロ分は余裕残し分も幾らか有ったかも知れないが、全く動けない出来には見えなかった。

 パドックで気になったのは馬体の仕上がり云々よりもテンションの高さ。

 元々テンションの高くなりやすい面はある馬だが、それにしてもちょっと落ち着きが足りなかった様に思える。周回を重ねるごとに煩くなり、返し馬に入るときにはかなりヒステリックになっていた。

 精神面の消耗は肉体にも影響を及ぼし、レースの結果を左右することが多い。過去に平常心を失って断然の人気を裏切った名馬は枚挙に暇が無いだけに大丈夫かな?と思っていたのだが・・・。

レース:レース運びに問題ナシもいつもの伸び見られず

 スタートは無難に出て中団あたりのポジションに付けたゴールデンバローズ。

 ただテンが速い展開になったとはいえ、思いのほか追走に苦労していた姿が意外だった。前走のUAEダービーではスローペースとは言えハナを切って逃げただけに、もっと楽な手応えで前に行けるかと思ったのだが。

 確かにレース序盤の流れは600m34秒5と速くなったので流れに戸惑い追走に苦労した可能性も無くはないのだが、ただゴールデンバローズは過去にも同じようなペースを経験している。

 4走前の3歳500万下ではユニコーンSより速い34秒2の流れを好位から楽に追走しているし、5走前の3歳未勝利では今回と同じ34秒5の流れを自身で逃げて作り圧勝している。

 そう考えるとハイペースに戸惑ったとは考えにくい。またスピード不足で付いていけなかったという考えも、過去にそれ以上のペースで問題なくレースしていることから当て嵌まらない。

 それなのに追走に苦労していたということは、やはりどこかゴールデンバローズに異常が発生していたということだろう。レース前のハイテンションの影響か、目に見えない内面の異常かは分からないが、普段の力を出し切れる状態ではなかったと推測される。

 さて直線を向いた時のポジションは7番手、先頭からはだいたい5馬身ほどだった。東京の直線の長さとゴールデンバローズ本来の末脚から考えると、悪くないポジションで直線に向けたと思う。戸崎騎手の手綱捌きには何ら問題がなかった。

 ただ追い出してからの伸びは本来のゴールデンバローズのモノではなかった。どう考えても2月のヒヤシンスSの時の方がピッチも上がりスピードも出ていただろう。

 確かに伸びてはいる。逃げたブチコはキッチリと交わしたし、同じ位置から仕掛けて一旦は完全に1馬身ほど前に出られたアルタイルを、ゴール前相手が失速したとはいえハナ差まで差し返してきている。最後までジリジリと脚は使っているのだ。

 なのでバテたとか脚が上がったというよりも、いつもの末脚を使えなかったと考えるのが自然だろう。

 レースを振り返ってみて、追走に苦労していた以外はレース運びに問題は感じられなかった。軽い馬場だったとはいえペースは速くさせる展開だっただけに、あの位置取りで正解だろう。

 やはり精神面、肉体面共に本来の状態には無かったと考えるのが自然だと思う。

まとめ

 よく海外遠征帰りの緒戦は難しいといわれる。

 いつもの環境とは大きく異なる異国への挑戦。その遠征自体は上手く行ったとしても、レース後身体に刻まれる疲労は普段のレース以上のモノになることは容易に想像できる。

 しかも帰国後はまず輸入検疫として白井にある競馬学校や、関西馬ならば三木ホースランドパークで5日間拘束され、それが済んだ後も着地検疫として牧場等で3週間は様子を見なければならない。

 この間は人と馬に対する接触も制限されるので、まず満足の行く調整などは行えないだろう。必然的に緩めざるを得ないのだ。

 そこから再度ピッチを上げて調整し直して春のレースに使うのは、調整期間が短いこともあり想像以上に難しい。ドバイ帰りの馬が帰国初戦で人気を裏切ることが多いのも、一重に再調整の難しさに起因することが殆どだと思う。

 今回ゴールデンバローズと共にタップザットも、ドバイ帰り初戦としてユニコーンSに出走していた。見た目には良い出来に映ったのだが結果は14着。序盤からレースの流れに全然乗れずに惨敗。これも帰国後の調整が上手くいかなかったのが原因だろう。

 現代競馬は競走馬間の能力が接近しており、G1級の超一流馬が前哨戦に緩い仕上げで出てきて格下の馬に不覚を取る例が、以前よりも格段に増えたように思う。

 それだけ日本競馬全体のレベルが上がったということなのだろうが、今をときめく堀厩舎スタッフの技量を持ってしても万全の状態に持っていけないのだから、本当に海外遠征というのは難しいのだと実感させられた。競馬というものは本当に奥が深い。

 今回の敗戦で早くもゴールデンバローズの力量に懐疑的な目を向ける向きも出てきたようだが、それはいささか早計過ぎると思う。結論を出すにはあと数戦は様子を見る必要が有る。

 いずれにしても競馬に絶対は無いことを改めて示した今回のユニコーンS。また一つ勉強させられたというのが筆者の正直な感想だろうか。

 - レース回顧

        
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