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【ヴィクトリアマイル回顧】ストレイトガールがスピード能力の差を見せ付け完勝

   

 JRA公式ラップ:12.1 – 11.0 – 11.2 – 11.2 – 11.4 – 11.2 – 11.6 – 12.2
 レース上がり  :4F 46.4 – 3F 35.0

 前半3ハロン通過が34秒3、1000m通過が56秒9、まさかこんなに厳しい流れになるとは完全に想定外だった。

 過去3年のレースがそうだったように、前半1000mを58秒を少し超えるぐらいのペースで流れて、上がりの勝負になると想定していたのだが・・・。

 レースの質としては、4年前にアパパネが勝った時に次ぐ厳しいレースになった印象だ。完全にマイラーや距離のこなせるスプリンターこそが力を発揮する流れで、中距離こそがベストの有力馬たちが枕を並べて討ち死にといった様相になったのも、道中少し前から離され過ぎた面はあるが仕方がないかもしれない。

 見事な追い込みを決めて悲願のG1初制覇を成し遂げたストレイトガール。いやぁ~・・・本当に強かった。

 同馬は有力馬の中でも唯一スプリントやマイルが本職の馬であり、そう考えるとマイラーやスプリンターが台頭するような流れで勝ち切ったのは当然かも知れない。

 ただ正直パドックではあまり良く見えなかった。馬体の張りや筋肉の付き方は良かったのだが、とにかく前肢の捌きが硬かった。この面が気になって評価を下げたのだが、結果的にはその考えは誤りだったというわけで、まだまだ精進の余地があると反省したい。

 一説にはギリギリ極限まで仕上げた馬は、一見捌きが硬く調子が良くないように映るという説がある。究極の出来と不調は紙一重のところにあるという考え方から生まれた説だが、もしかしたら今回のストレイトガールの状態はそれに当てはまっていたのかも。

 ストレイトガールが最後の直線で見せた切れ味は素晴らしいものだった。もともと戸崎騎手は差し馬の末脚を引き出すのが非常に上手い騎手だが、それにしてもその伸び脚は際立っており、同馬でなければあの位置から先に抜け出したケイアイエレガントを差し切れなかったのは、結果が雄弁に語っている。

 これが牡馬相手でも安田記念で勝ち負けが期待できる馬の底力なのだろう。

 今回相当仕上げた上での激走だったので反動が心配ではあるが、次走安田記念に走れる状態で出てくるならば、引き続き高い評価をしたいところだ。

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 2着のケイアイエレガントはベストのレースが出来たのではないだろうか。

 逃げた馬が飛ばしていった為に、2番手と言っても単騎で逃げているような形に。しかも3番手以下の馬たちもハイペースを警戒して追いかけてこない。

 切れる脚がないために末脚勝負だと厳しいケイアイエレガントにとって、自由に自分のペースで動けるこのポジションは最高だったと思う。逃げている時より警戒されないし、前を捕まえるタイミングだけ計れば良いだけだからね。

 予想以上にミナレットが粘ったのには少し焦ったかも知れないが、残り450m過ぎのベストのタイミングでゴーサインを送り、最後残り100mを切ってからミナレットを捕らえた時は吉田豊騎手も「やった!」と思った筈。

 ただベストの競馬をしても捻じ伏せられてしまう存在がいたことが、ケイアイエレガントと吉田豊騎手にとっては不幸だったと言うしかないだろう。

 今回のレースを盛り上げた最大の功労者は、逃げたミナレットと江田照男騎手であることに異論を挟む者は殆どいないと思う。

 実に見事な逃げだった。小細工を弄することの無い気持ちの良い逃げとは、このことを言うのだろう。あのペースで逃げ粘ったのだから、ミナレットの実力も当然再評価しなければいけない。

 ただ一見スピードに任せて何も考えずに逃げたように思える江田騎手の逃げだが、ラップを見ると絶妙なところでバランスが取れているのが分かる。

 たしかに前半1000m通過が56秒9とかなり速くて厳しい逃げを打っているが、一つ一つのラップも見ていくと10秒台に突入した区間は一つもない。最速が2ハロン目に計時した11秒0で、この区間はどのようなレースでもOPクラスならこれぐらいの時計は出るので、そこまで無理をしている訳ではないのだ。

 そこから11秒2-11秒2-11秒4とキレイなラップを刻んで逃げたミナレット。オーバーペースのギリギリ一歩前のところで馬群を引っ張ったという感じで、これはさすがベテランの味と江田騎手のペース配分には唸らざるを得ない。

 最後は流石に脚が上がった為に差されて3着に終わったが、それでも並み居るG1馬たちを抑え切ったのは馬場の恩恵や展開が向いたことを考えても賞賛に値する。

 逃げ馬が気分良く逃げた時は本当に怖いというのを改めて痛感する、今年のヴィクトリアマイルであった。

 - レース回顧

        
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