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【安田記念回顧】モーリス 大一番で見せた新たな姿!夢は海を越える

   

 スタートしてモーリスが何処にいるか確認した時、思わず目を疑った。過去3戦、全て出遅れてきた馬が今回はスタートも決め3番手にいる。

 この瞬間、勝利の女神はモーリスに微笑むであろうことを直感した。そして約1分後、その直感は正しかったことを確認することになる。

 6月7日、東京競馬場芝1600mを舞台に行われた春のマイル王決定戦、「第65回 安田記念(G1)」。

 このレースを見事制したのはここまで3連勝中の上がり馬、1番人気に支持されたモーリスだった。

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 パドックの雰囲気は悪くなかったと思う。

 今年の春に堀宣行厩舎に移籍してからここまで目一杯に仕上げられたことはなかったと思うが、今回は数字に現れない部分で馬体も絞れ、筋肉の盛り上がりも目立っていた。

 ガニ股気味で歩いていたので背中のラインがキコウからお尻に向かって下がる形となり、一瞬「腰が甘いのかな?」とその時は思ったが、良く見ると背中は緊張感を保っており、腰の筋肉も非常に発達していた。

 その後のレースでの様子を見ても分かるように、モーリスの弱点の一つだった背中から腰への甘さは改善されていたと見て良いだろう。さすがの仕上がりだったと思う。

 ただそれだけの仕上がりを課しただけに、それに伴って生じたテンションの高さは少し気になったかな。今まではそこまでパドックで気合を面に出す馬じゃなかったからね。ただ今回はこの気合が結果的に良い方に出たのかもしれない。

 最初の部分でも述べたが、モーリスが好スタートを決めて好位3番手のポジションを確保したのには驚いた。そして「これは勝たれた!」と直感めいた思いを抱いた。

 この直感は結果的に正しかった訳だが、レースのラップ推移を見てもその正しさが裏づけされている。

 結局1分32秒0という時計で決着した今年の安田記念だが、これは前後半4ハロンずつの時計に分けると前半4ハロンは45秒9、後半4ハロンは46秒1とほぼ一緒と言って良い平均的なペースになる。

 これを逃げたリアルインパクトから1馬身半ほど後ろで追走していたモーリスに当て嵌めると、推測だが大体46秒2-45秒8となる。平均的に脚を使わされる流れだったことを考えると、これはベストなペース配分だったのではなかろうか。川田騎手にはお見事と言いたい。

 最後の直線、馬なりのまま先頭に並びかけた時は「これは圧勝か!?」と思ったモーリスだが、追ってからは思ったほどの伸びは見せられなかった。

 これはそれまでとは違うレース運びで脚を使っていたという事もあるだろうし、4コーナーから上がっていった時に既にモーリス自身はギアをトップに入れていたせいもある。反応の良い馬なので、ポジションを上げていく合図をゴーサインと勘違いしたのだろう。

 それでも最後の一脚分の余力は残していたので、ラスト脚が上がりかけながらもヴァンセンヌの追撃を抑えきることが出来た。直線ギリギリまで追い出しを我慢し、ここぞと言うところで予備の燃料タンクを使い切った川田騎手は、改めてモーリスの力を出し切ったといえるだろう。

 これで見事4連勝でG1ホースに輝いたモーリス。今までとは違う競馬をして、適性的には不向きと思われた東京コースで結果を出したことはモーリスの今後にとって大きいと思う。まだまだこれから強くなるであろう馬なのだから、余計にそう思う。

 この後は恐らく夏休みを取る事になるだろうが、秋はどのような路線を行くのだろうか。馬体的には2000mぐらいまでなら何ら問題無さそうな気もするが。

 個人的には機動力のある馬だけに、秋のブリーダーズCマイル遠征など夢があって良いなと思っている。まあいきなりアメリカ遠征は大胆すぎる気もするので、それならば年末の香港マイル参戦でも良いかな?

 世界最強マイラーと名高いエイブルフレンドとの対決なんて、想像するだけでワクワクしてくる。スピードとパワーを要求される香港の芝は、モーリスにとって日本よりも合うんじゃないかと思うぐらいなので、これは是非とも実現して欲しいな。

 いずれにせよ日本にも久々に強いマイル王者が誕生した気がする。夢を抱かせる王者モーリスの今後に期待したい。

 - レース回顧

        
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