馬事総論ドットコム

馬に関することなら何でも取り上げるブログ

まるでサーカス!咄嗟の動作で危険を回避した騎手の技術がスゴイ

   

 思わず「凄い!」と声が出てしまった。

 イギリスで行われたアマチュア騎手による障害レース。最終障害の飛越を終えて、あとはゴールまで駆け抜けるだけとなった段階で、先頭を行くDeshan が大きく左にヨレてしまう。

 そのヨレた先にあるのはラチというか塀そのもの。このままでは激突する危ない!と思った瞬間、騎乗していたブラッドリーギブス騎手は咄嗟に左足の鐙を抜き、身体を馬の右側へ。

 素晴らしい反射神経と回避動作で最悪の事態を回避すると、態勢を立て直しその間に交わされて先頭に立ったBlackdown Hills 目掛けて追撃を開始。

 最後は両足とも鐙を履かず、腿で鞍を挟み込む苦しい姿勢ながらも猛然と追い込み2着でゴール板を通過。あわや差し返すかという勢いで、あともう少しと残念な形ではあったが、あれだけの不利に見舞われてもレースを諦めない根性と技術には心底驚かされた。

スポンサーリンク

 このブラッドリーギブスという騎手、これだけの技術を持っているのにアマチュアだというのだから、欧州の騎手の層は本当に厚い。

 フランスなどは一説によるとプロ騎手だけでも数千人いるといわれ、アマチュアを含めれば万を超える人間がレースで騎乗しているという。

 それだけの人数の中から勝ちあがってきた人間がトップ騎手として大レースで活躍し、日本などに短期免許で来日するのだから、それは日本人騎手では太刀打ちできないのも当たり前だと思う。そこに至るまでに勝ち抜いてきた経験、レベルが違うのだから。

 どんなスポーツでもそうだが、基本競技人口とレベルは比例する。日本の何十倍もの競技人口を誇る国の騎手が、日本人騎手よりもレベルが高いのは必然だろう。日本が本当に騎手のレベルを上げたいのならば、プロ・アマチュアを含め騎手の数を増やさなければ駄目だ。

 JRAの取る少数精鋭主義のエリート教育は、ある一定のレベルに到達させる為には効率的な手法だと思う。ただそこから更に上を目指す為には、その少数精鋭主義が足枷となっている。大人数の中での競争、切磋琢磨が生じないのだから当然だ。

 そろそろJRAの競馬学校方式も転換期を迎えたのではなかろうか。奇しくも外国人騎手の受け入れ態勢も整った現在、改革に打って出る環境は整ったと思う。

 まずはJRA騎手と地方騎手との騎手免許統一化から始めるべきだろう。そしてJRAでは地方・中央問わず優れた実績を持つ騎手が騎乗できるようにし、実績の足らない騎手は地方に飛ばされるという形を作るべきだと思う。

 イメージとしてはサッカーJリーグのピラミッド方式が近いだろうか。JRAをピラミッドの頂点とし、その下に地方競馬場を再編し幾つかのカテゴリーを設置。その各カテゴリーの中で優れた実績を残した騎手が、上のカテゴリーに上っていくという形を作るのが一番わかりやすいと思う。

 もちろん一旦上のカテゴリーに到達したとしても、そこで優れた実績を残せなかった騎手は下のカテゴリーに落とされることになる。こういう仕組みを作れば俗に言う「無気力騎乗」や「油断騎乗」なども減少するのではなかろうか。

 今回の動画は単純に凄いと思うと同時に、欧州の騎手の層の厚さを再確認させてくれた。

 外国人騎手によるレベルの高い競馬も悪くは無いが、やはり日本の競馬では日本人騎手が活躍して欲しいというのが、多くの競馬ファンの本音だろう。ただそれは実力に裏付けされたものでなければならない。

 昨今は騎手に対して色々と批判が上がることが多い時代となったが、それも大体は騎手側の要因によるものが殆どだ。この状況が慢性化し競馬ファンが愛想を尽かす前に、何とか良い方向に改革が進まないものかと思っている。

 - 海外競馬, 競馬雑談

        
follow us in feedly

  関連記事

キズナの繋養先は社台スタリオンステーションに。種牡馬入り後も続くライバルとの熱い戦い

右前繋部浅屈腱炎を発症して引退することとなったキズナ。 ファンの多い馬で …

【プリークネスS】アメリカンファラオが後続をブッチギリ圧勝!37年ぶりの3冠達成に王手

 いやはや・・・、強いねこれは(苦笑)  ケンタッキーダービー(米G1)を完勝し …

エイブルフレンドがチェアマンズトロフィーを圧勝。重賞5連勝

 昨年の香港マイル(香GⅠ)を圧勝したエイブルフレンド。  そのエイブルフレンド …

ハープスター引退。彼女が果たせなかった夢は仔に引き継がれることに

 まぶたを閉じると、彼女が輝きを放った数々のレースが脳裏に蘇ってくる。  今日ま …

トレヴ圧巻の最終追い切り。凱旋門賞3連覇に向けて視界良好

 いよいよ今年も凱旋門賞の発走の瞬間が迫ってきた。  今年は久々に日本からの出走 …

2015日本ダービー@ワンアンドオンリー
父の果たせなかった夢は息子が果たす!ダービー馬ワンアンドオンリーのキングジョージ遠征が正式決定

 28日に行われたドバイシーマクラシック(首GⅠ)で3着と好走した昨年のダービー …

世界で最も晴れやかな舞台で2歳馬がデビュー!?
まさかそういう理由とは・・・。藤沢和雄厩舎の2歳馬による英国遠征は中止に

 先日藤沢和雄調教師の口から構想として発表されていた2歳馬の英国遠征プラン。   …

欧州マイル路線に新星誕生!グレンイーグルスが英2000ギニーを完勝

 2つに分かれた馬群のスタンド側好位5番手辺りにポジションを取ったゼッケン番号9 …

フリーイーグル 未完の大器が遂にビッグタイトルを獲得 / プリンスオブウェールズS

 「凄い馬だと、ダービーを勝てた馬だと2年間言い続けてきた」  「その言葉が正し …

ハープスターがキングカメハメハと電撃交配

 先日引退を発表した昨年の桜花賞馬ハープスターが、早くも交配を終えたとのニュース …