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フェノーメノ引退、種牡馬入り。その競走生活は同じ名を持つあの世界的サッカー選手と被るものを感じた

   

フェノーメノ@2013天皇賞・春

 フェノーメノという名前はポルトガル語で「怪物」という意味があるという。

 かつてブラジルのサッカー選手でロナウドという世界的なサッカー選手が存在した。現役時代はバルセロナやレアルマドリード、インテル、ACミランなどの世界的ビッグクラブを渡り歩き大活躍。

 ブラジル代表としても2002年に日本で行われたWCで得点王に輝くなど、サッカーファンじゃなくても名前は聞いたことがあるという人は多いのではなかろうか。

 そのロナウドが現役時代に付けられた愛称が「フェノーメノ(怪物)」だった。

 全盛期から10年以上が経っても、そのプレーの印象は強烈で色褪せることがないロナウド。

 彼は現役生活の晩年を怪我や病気との戦いに費やしたが、フェノーメノの競走馬生活を今振り返ったとき、自身の名前と同じ相性を持つこの世界的サッカー選手の姿が重なるような気がしてならない。

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 フェノーメノの名前を強く認識したのは2012年の春のクラシック、皐月賞の前哨戦である弥生賞でのレース振りだった。

 このレース自体は6着と敗れたフェノーメノだが、そのレース振りは豪快そのもの。道中後方から大外をぶん回すというロスの多い競馬ながら、中山の短い直線を急坂をもろともせずに追い込んでくる姿は「この馬強いな」と感じさせずにはいられなかった。

 サッカー好きだった筆者にとって、その名前と共に能力を感じさせるレース振りから一躍注目すべき存在となったフェノーメノ。

 この弥生賞が一種の転機となったのだろうか?同馬はその後目覚めたようにレース振りが向上し、一気に世代のトップに、そして古馬も含めた中長距離路線のトップに伸し上がっていく。

 ダービー2着、秋の天皇賞2着。惜しいところでビッグタイトルに手が届かなかったフェノーメノが覚醒したと思われたのが、2013年の春の天皇賞だった。長丁場の京都で自分から動く積極的な競馬をして完勝。その強さはいよいよ怪物が目覚めたかと思った。

 ただ続く宝塚記念は出来落ちと展開が向かなかった影響か4着に終わり、秋シーズンは故障で休養。翌年の日経賞も5着に終わるなど、少しでも内面のバランスが崩れると途端にパフォーマンスを落とす面を垣間見せた。

 ただ調子が上向き、走れる状態になればその高い能力を発揮するのがフェノーメノ。一叩きされて調子がグンと上向いた2014年の春の天皇賞では再び強い競馬を見せ、見事史上3頭目となる春の天皇賞連覇を達成。競馬史に残る名馬の仲間入りをした。

 しかしその後は慢性化した怪我(左前の繋靭帯炎)の影響もあり、心身のバランスを崩してしまいかつてのパフォーマンスを取り戻すことが出来なくなった同馬。その姿は大事なところで放つ輝きはこれ以上ないほど鮮烈だが、それ以外の部分では常に苦しみと戦っていたロナウドと被るものを感じた。

 今回新たに右前繋靭帯炎、左前浅屈腱炎を発症し、その症状の重さから引退となったフェノーメノ。G1・2勝馬に対してこう言うのもなんだが、その真のポテンシャルを充分に発揮できた競走馬生活だったかと問われると、そうではなかったという感想を持たざるを得ない。

 フェノーメノはその名の意味が示すとおり、怪物になる資格、可能性を秘めた馬だったと思う。ダービーを勝ち、また秋の天皇賞を制していれば彼の競走馬生活もまた変わったものになった可能性は決して低くはない。

 ハイパフォーマンスを持続させる体力に欠け、その反動に苦しめられてきたフェノーメノ。名は体を現すとはよく言われる言葉だが、同じくフェノーメノと呼ばれたロナウドと似通った現役生活を送る羽目になるとは・・・、世の中とは不思議なものである。

 今後は種牡馬として新たな世界で生きていくことになったフェノーメノ。現在のところ行き先は不明で、また最大手の社台スタリオンステーションには同父の3冠馬オルフェーヴルが既に在厩しているが、さて何処に行くのだろうか?

 サンデーとデインヒルの血を引くとはいえ、それ以外の血は主流とは言えない血統背景の持ち主なので、配合相手にはそれほど困らないだろう。2000mを1分57秒台で走破できるスピードもあり、馬格もまた優れていることから他の長距離で実績を残した種牡馬よりも成功する可能性は高いはずだ。

 果たして父の無念を晴らす怪物2世が誕生するのか?種牡馬フェノーメノの今後に期待したい。

天皇賞・春連覇フェノーメノが引退 - デイリースポーツ

 管理した戸田博文調教師「厩舎の発展に協力してくれた馬。種牡馬として成功して、いい子を出してほしいですね。また、その子どもを自分が管理することができれば、うれしいです。天皇賞連覇も、もちろん思い出ですが、調整や乗り方など全てが完璧に運んだダービーで、わずか鼻差敗れたことも強く心に残っています」

 - 競馬雑談

        
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