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カネヒキリ種付け中の事故で死す。「不撓不屈」という言葉が相応しい彼の姿を一生忘れない

   

2008東京大賞典カネヒキリ

 ▼“砂のディープインパクト”カネヒキリが死亡 14歳 / 予想王TV

 日本のダート競馬で一時代を築き上げ、多くの名勝負を演じた名馬カネヒキリが亡くなったという悲しい報せが届いた。

 享年14歳。現役引退後は種牡馬入りし、2014年に初年度産駒がデビューしたばかりの同馬。

 さあこれから!という時の悲しいアクシデントは本当に、本当に残念でならない・・・。

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 日本のダート界で一時代を築いたカネヒキリ。

 ダートのGⅠを7勝。同じ馬主、同じ主戦騎手から「砂のディープインパクト」と呼ばれたスターホース。

 その二つ名が示す通り、競走馬として類まれな身体能力を見せたカネヒキリだったが、彼がこれほどまでに傑出した競走成績を残し多くの競馬ファンに愛された由縁は、過去の名馬たちに例を見ないほどの、その強靭な精神力に有ったことに異論を挟む者はいないことだろう。

 競走馬にとって不治の病として知られる屈腱炎。

 近年は治療技術と調教技術の発達により、この病から復帰しそれなりの実績を残す馬も増えては来ているが、それでも屈腱炎を発症する前の状態まで回復し大レースで活躍する馬は、症状が軽微だった馬以外は皆無と言って良い状況だ。

 カネヒキリは競走馬にとって旬と言える4歳夏に屈腱炎を発症。そこから実に2年4ヶ月も戦列を離れ治療に専念することになる。

 競走馬にとって肉体的にも精神的にも一番充実する時期を怪我によって奪われ、しかも2年を越える治療期間は屈腱炎の中でも即引退を考えるほどの重症。

 彼が無事に復帰し、そして全盛期にも勝るとも劣らない成績を残すとその時点で誰が考えられたであろうか。復帰すら絶望的な状況と言っても過言ではないのに。

 カネヒキリを信じた金子オーナー、復帰を諦めず治療に専念した牧場スタッフ、全身全霊、細心の注意を払って鍛え上げ、再び戦場へと送り出した厩舎スタッフの尽力、そして何よりも「諦める」という言葉が存在しないカネヒキリの強靭な精神力に、改めて敬意を示したい。

 カネヒキリが刻んだ偉大なる蹄跡の中で、印象に残るレースが2つある。

 ひとつは同馬が4歳の初夏、アジュディミツオーと死闘を演じ2着に敗れる形となった帝王賞。

 そしてもうひとつは奇跡的な復活勝利を遂げたジャパンカップダートの次走、その激走がフロックではないことを満天下に示した東京大賞典。

 まずはアジュディミツオーの後塵を拝することになった帝王賞。

 この時のカネヒキリはドバイ帰りの疲労もあり、万全の状態ではなかったと思う。それでも日本のダート王という称号を掲げる以上、当時最強のライバルと目されたアジュディミツオーとの決戦は避けられないものだった。

 果敢に先手を奪い、カネヒキリに真っ向勝負を挑むアジュディミツオー。それを敢然と受けて立つカネヒキリ。

 他の馬など存在しないような2頭のマッチレースに、鳥肌が立つほどの興奮を覚えたことを今でも良く覚えている。このレースは間違いなく日本の競馬史に残る、屈指の名勝負であった。

 そして2008年のジャパンカップダートで奇跡の復活を遂げた後、完全復活を期して登場してきた東京大賞典。

 筆者はたまたまこのレースを現地で観戦していたのだが、その時パドックで見たカネヒキリの金色に輝く馬体は8年近く経った今でも忘れられない。

 夕日を浴びて輝きを放つ鍛え上げられた馬体は、まさに芸術品と呼ぶに相応しい美しさを放っていたし、何より内から発するオーラというか生命力のようなモノに圧倒された。

 その後数多くの競走馬を競馬場で見てきたが、未だにあの時のカネヒキリが放っていた威圧感を感じさせる馬には出会っていない。彼が幾多の名馬の中でも傑出した存在であったことの証明が、あの強烈な威圧感だったと感じずにはいられない。

 多くの競馬ファンに愛され、偉大な記録とそれにも勝る強烈な記憶を残し天へと旅立ったカネヒキリ。

 彼の偉大な身体能力と強靭な精神力を受け継ぐ存在が、彼の残された産駒の中から是非とも登場して欲しいと心から願っている。

 競馬はブラッドスポーツ・・・。

 彼の血がまた輝きを放ち、その偉大な存在が再びクローズアップされる未来をもう一度見たい。

 - 競馬雑談

        
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