アドマイヤビスタ 過大評価は禁物。将来的にはダートかも?
3日の阪神5レース、メイクデビュー阪神芝1800m戦で単勝1.7倍と圧倒的人気に支持されたアドマイヤビスタ。
近親にワールドエースがいることと、直前の調教でも素質を感じさせる走りを見せていたということで注目を集めていた訳だが、実際レースでもしっかりと勝ち切った訳で、まずは関係者もホッと胸を撫で下ろしたというところでは無いだろうか。
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パドックで同馬を見た印象だが、良い意味で母父のミスターグリーリーが出ているなと思った。
ミスターグリーリーは現役時代はアメリカの短距離路線で活躍した馬だが、種牡馬入りした後も産駒は短距離路線やマイル路線で活躍する馬を多く輩出している。
馬体的特長としては如何にもアメリカンダートの短距離馬らしく全体的に筋肉質で四肢は短め、そして大きなトモを産駒に遺伝させていたミスターグリーリーだが、その特徴は母父となっても有効なようで、アドマイヤビスタもネオユニヴァース産駒にしては骨太な骨格とパワーを感じさせる筋肉、そして大き目のトモをしていた。
ネオユニヴァース産駒、特に牡馬に関してはトモの大きさはかなり重要で、同父の産駒は意外とトモの容量が小さく非力な馬が出易い印象がある。
ネオユニヴァース自身が斜尻で曲飛なので産駒もその特徴を受け継いでそう出易いのだろうが、こういった特徴を持つ馬は余程筋肉が強くないと早い時期に勝ち上がるのが難しい。
斜尻で曲飛というのはその特徴をフルに使い切れれば、キレのある脚運びとある程度の完歩を稼げるので大きな武器となるが、ただでさえ角度のある飛節と後肢をしっかり後まで蹴り切るには他の馬よりも強いパワーが必要となる。
しっかりと時間をかけ鍛え上げられた古馬なら筋肉も充分発達しているので、曲飛のデメリットを転じてメリットととすることにより活躍できるだろうが、2歳や3歳でそこまで鍛え上げられている馬は稀。
それだけにネオユニヴァース産駒が早い内に勝ち上がるためには、ナチュラルに強くパワー有る筋肉を持つか大きなトモをしているかのどちらかが必須なのだが・・・、アドマイヤビスタは祖父から大きなトモとパワー有る筋肉を受け継いだようだ。デビュー戦からしっかり動けたのも納得である。
レースに関しては「中々センスあるところを見せていたな」という印象だろうか。
スタート直後は多少モタつくところを見せていたが、行き脚が付いてからは先行馬の内で上手く折り合いが付いていた。
新馬戦にしては比較的ペースが速かったのも良かったかな。途中少し頭を上げかけたところがあったり、4コーナーで横っ飛び仕掛けた場面があったりと、今後レース慣れした時に難しさを出す可能性はあるだろうが、今のところは問題無さそうな気がする。
最後の直線ではジリジリと長く脚を使って最後捻じ伏せた印象だが、恐らくパンパンの良馬場よりもこの日のような荒れた少し時計の掛かる馬場の方が得意なタイプだろう。
距離に関しては脚の長さは標準的なのでそこまで心配しなくても大丈夫だと思う。母父ミスターグリーリーの影響は今のところ筋肉の質と骨の太さ、トモの大きさに限定されている印象だ。
今回は芝で結果を出したアドマイヤビスタだが、前脚を遠くに伸ばすストライド走法の馬ではなく掻き込む感じのピッチよりの走法をしている馬なので、将来的にはダートで活躍している可能性も大きいのではないか。骨も太いしね。
良血馬ということもあり、人気に応えて快勝したということで今後はクラシック路線での活躍が期待されるであろうが、個人的には現状まだそこまでの力は備わっていないように思えるかな。
馬体はまだまだ成長途上といった感じなので、今後グンと良くなれば・・・というところはあるが。さて、どうなるだろうか。

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