レッドアルヴィスが欅ステークスを圧勝!器の大きさはG1級
レッドアルヴィスの存在を初めて認識したのは3年前、所属する東京サラブレッドクラブの1歳馬募集のカタログにおいてだった。
ちょうどその頃は同馬の半兄であるカレンブラックヒルが大活躍しており、またその一つ下のレッドセイリングに出資していたという事も有って、写真等を見る前から当然注目していた1頭だったレッドアルヴィス。
「父がゴールドアリュールに代わってどんな感じなんだろうな・・・」そう思いながらページをめくる。そして後のレッドアルヴィス、チャールストンハーバー2011のページを目にした時、「これはG1を獲れる馬だ!」と強く確信したことを、昨日のことのように覚えている。
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それほど活躍を強く確信したレッドアルヴィスだが、結局筆者は出資しなかった。何故かって?だって高かったんだもん(苦笑)
毎年安くて走りそうな馬を選んで出資している筆者にとって、一口14万5千円は高すぎる。一口5万円でも躊躇するぐらいなのに(笑)しかもゴールドアリュール産駒だ。
出資段階で走ると確信しても、そこから何があるか分からない。ただでさえ筆者は1歳馬の馴致から行うホッカイドウ競馬の厩務員だったので、競走馬が無事にデビューを迎える難しさ、大変さを熟知している。
金銭的に余裕があるなら当然出資していただろうが、貧乏人の筆者には分不相応の博打は打てない(←だから馬券も下手)。なので出資を見送った訳だが・・・正直後悔していますよ、はい(苦笑)
レッドアルヴィスは期待通りの走りを見せているといって良いだろう。戦績を振り返ると何度か小さい躓きは喫しているが、しっかりと一段ずつ競走馬としての階段を上がってきているように見える。
ユニコーンSでは東京ダート1600mの適性の高さ、能力の高さを示した。すばるSでは決して東京競馬場だけの馬ではないことを証明した。そして今回の欅ステークスではもうオープン特別では物足らない、器の大きさを示して見せた。
一戦ごとに成長を感じさせるレッドアルヴィス。その雄大な馬体は見るごとに惚れ惚れする形へと成長しており、今回のパドックでも1頭別物の美しさを誇っていた。「まず負けるわけがない」パドックを見れる人が目にしたら、そう確信するほど飛び抜けていただろう。
実際のレースでも直線半ばまで持ったままで、他馬を子ども扱いするような圧倒的な強さを見せた。あの走りに直ぐに2つ目の重賞獲得を予感した人は多いと思う。
順調に競走馬としての格を上げているレッドアルヴィス。ただまだ課題がないわけではない。一番の課題は、追ってからの末脚の物足りなさだろう。
ゴールドアリュール産駒全般に言えることだが、先行力はあるものの追い比べになると少々劣る馬が多い。ただG1を勝つようなゴールドアリュール産駒は、追ってからもそれなりの末脚は使えている。レッドアルヴィスが今後G1を勝てるようになるには、ここが課題になると思う。
ではどうすれば良いか?それはフォームの改善だろう。今までのレッドアルヴィスのレースを見てもらえば分かるが、同馬は頭の低い走りをする。それ自体は悪いことではないのだが、スタートからゴールまでずっとこの姿勢なのだ。
馬の走り方というのは身体全体を使った伸縮運動だ。伸びて縮んでを繰り返して前に進んでいく。ただレッドアルヴィスは常に伸び切って走る癖がある為に、縮む動作が足りない。これだと脚が溜まらないのである。
以前筆者が出資していた馬にプリュムという牝馬がいたのだが、この馬も常に頭を下げて伸びきって走る馬だった。先行力は抜群なのだが追ってから味がなくて、いつも掲示板に乗るか乗らないかの辺をウロウロしていた。
そんなプリュムが行き脚が付かず中団から競馬するレースが有った。砂を被っていつもより頭を上げて追走するプリュム。末脚もないし「これは駄目かな・・・」と思っていたのだが、直線に向くと矢のような伸びで前を行く馬を差し切り快勝。いつもとは違うその姿に思わず目を疑ったものだ。
この時、理論としては知っていた「身体を起こして走る大切さ」を結果として初めて思い知った。競走馬にとって伸縮運動は上のクラスで結果を出す上で生命線なのである。
伸びきった走りをしてもオープンを圧勝するレッドアルヴィスの身体能力は相当なモノだと思う。競走馬としての器だけなら、兄のカレンブラックヒルを軽く凌駕するレベルだろう。
あとは更に一段上の走りが出来るように、徐々にフォームを矯正していくのみ。そこは実績充分な安田厩舎所属なのであまり心配していない。
いつか競走馬として完成した時、日本のダート界はレッドアルヴィス時代となる。そんな日を夢見ながら彼の成長を見続けていきたい。

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